通級指導教員の仕事とは?
発達や学習に困りごとのある児童生徒を、通常の学級とは別の時間に個別・少人数で指導する教員。
通級指導教員は、特別な支援を必要とする児童生徒に対して、苦手分野を補ったり社会性を育んだりする専門的なサポートを行います。
1. どんな仕事?
通級指導教員(つうきゅうしどうきょういん)は、発達や学習などに困りごとのある児童生徒に対して、通常学級とは別の時間に個別・少人数で専門的な指導を行う教員です。
小・中学校に設けられた「通級による指導教室」で、学習面・行動面・コミュニケーション面など、それぞれの課題に応じたサポートを行います。
例えば、読み書きが苦手な子どもには学習方法を工夫して指導したり、注意がそれやすい子どもには集中を保つ練習をしたりと、一人ひとりに合った支援プログラムを組み立てます。
必要に応じて担任や保護者、スクールカウンセラー、特別支援コーディネーターなどと連携しながら、子どもの得意分野を伸ばし、社会性を育てることも重要な役割です。
また、子どもの成長を長期的に見守るため、観察・記録・保護者面談なども行います。
子どもが「できた!」という自信を積み重ねられるよう支える、教育現場の中でも特に専門性の高い仕事です。
2. どんな人に向いてる?
- 子ども一人ひとりに丁寧に向き合える人
- 教育・支援に対して根気強く取り組める人
- 発達障害や教育心理に関心がある人
- 協調性があり、他の先生や保護者と連携できる人
3. 通級指導教員になるには?(進路チャート)
🎓 教員免許を取得(小・中・高校いずれか)
↓
👨🏫 特別支援学校教諭免許を追加取得 or 特別支援教育に関する研修を受講
↓
🏫 教育委員会の募集に応募・選任されて配属
4. 通級指導教員に必要な資格やスキル
- 小・中・高のいずれかの教員免許状
- 特別支援学校教諭免許(または該当研修の修了)
- 教育相談・心理支援に関する知識
5. 活躍の場・働き方
- 公立・私立の小中学校
- 通級による指導教室
- 教育センター等の支援機関
6.通級指導教員の 平均年収は?
通級指導教員の平均年収は約500万〜700万円前後です。
地方自治体の公立学校に勤務する場合は、公務員としての給与体系が適用され、勤続年数や役職によって差があります。
正規教員だけでなく、非常勤講師や支援員として働く形も多く、勤務形態によって年収には幅があります。
出典:文部科学省「教職員給与実態調査」/各自治体教育委員会データ
7. 向いてない人は?
- 個別対応が苦手な人
- 感情的になりやすい人
- 子どもの特性を理解しようとしない人
8. よくある質問(Q&A)
Q. 通級と特別支援学級はどう違うの?
A. 通級は通常学級に在籍したまま、一部の時間だけ特別な指導を受ける仕組みです。
特別支援学級は、学級ごとに特別な支援を行う教育形態です。
Q. 担任にはならないの?
A. 基本的には担任は持たず、支援が必要な児童生徒の補助的役割を担います。
9. 関連する仕事
10. 現場の声
■ 職業・職歴
通級指導教員/公立小学校勤務・8年目
■ 仕事内容
発達障害や学習面に課題のある児童に対し、週数回の通級指導を実施。
児童の特性に合わせて教材や教え方を工夫し、担任や家庭と連携しながら支援を続けています。
■ やってよかったこと
「先生と練習したからできた!」と笑顔で話してくれる瞬間が一番うれしいです。
小さな成長の積み重ねが、子どもにとっても自分にとっても大きな励みになります。
■ 大変だったこと
一人ひとり支援内容が異なるため、準備や記録に時間がかかります。
それでも、家庭や学校全体で子どもを支える体制づくりにやりがいを感じます。
■ これから目指す人へ
子どものペースに寄り添い、ゆっくりでも一歩ずつ前進を見守れる人に向いています。
教育への情熱と観察力、そして根気強さが求められる仕事です。


