鉄骨工の仕事とは?
鉄骨工は、ビルや工場、橋などの大型建築物に使われる鉄骨を組み立て、骨組みを作る専門職です。建物の「骨格」をつくる仕事であり、建設の安全性や耐久性を左右する重要な工程を担います。現場ではクレーンを使って巨大な鉄骨を吊り上げ、ボルトで固定したり、溶接で接合したりしながら高所で作業を進めます。チームで連携しながらミリ単位の精度が求められる現場も多く、体力・技術・集中力のすべてが試されます。建設現場の最前線で“建物の骨格を支えるプロフェッショナル”として活躍する職業です。
1. どんな人に向いてる?
高いところが平気で、体力に自信のある人に向いています。手先が器用で、几帳面な性格の人は正確な作業をこなせるでしょう。チームで動く現場なので、仲間との連携を大切にできる人にも適しています。
2. 鉄骨工になるには?(進路チャート)
特別な学歴は必要ありませんが、高校卒業後に建設会社や鉄骨工事会社に就職して現場経験を積むのが一般的です。経験を重ねながら、溶接技能講習や玉掛け技能講習などの資格を取得すると活躍の幅が広がります。
3. 鉄骨工に必要な資格やスキル
必須資格はありませんが、以下の資格があると優遇されます。
- アーク溶接技能講習
- 玉掛け技能講習
- 高所作業車運転技能講習
- 鉄骨の組立て等作業主任者
安全意識、バランス感覚、空間把握能力が求められます。
4. 活躍の場・働き方
建設現場、鉄骨工事会社、橋梁メーカーなどで働きます。大都市圏の高層ビルや大型商業施設、工場建設などに携わることもあります。
5. 鉄骨工の平均年収は?
鉄骨工の平均年収は約400万~550万円前後とされています。現場経験や資格の有無、施工規模によって収入差がありますが、熟練者ほど高収入が期待できます。
キャリア段階 | 年収目安 |
---|---|
新人(1~3年目) | 280万~350万円 |
中堅(5~10年目) | 400万~500万円 |
熟練工・班長 | 500万~650万円 |
特に作業主任者の資格を持つと手当が加算され、現場の安全管理を任される立場として高収入を得ることが可能です。
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」/建設・鉄骨工事関連求人情報
6. 向いてない人は?
高所が苦手な人や、危険作業に慎重さを欠く人には不向きです。また、チーム作業が多いため協調性がないタイプも現場では苦労します。
7. よくある質問(Q&A)
Q. 鉄骨工と鳶職は違うの?
A. 鳶職は足場の組立や高所作業全般を担当し、鉄骨工は主に建物の骨組みを組み立てる専門職です。現場で連携することも多いです。
Q. 危険な仕事ですか?
A. 高所作業を伴うためリスクはありますが、安全装備の徹底とチーム連携で事故防止が図られています。
Q. 女性もなれますか?
A. 近年は女性職人も増えており、溶接や検査などで活躍する人もいます。
8. 関連する仕事
9. 現場の声
■ 職業・職歴
鉄骨工・勤務15年(建設鉄骨工事会社)
■ 仕事内容
高層ビルの鉄骨組立を担当。クレーンで吊り上げられた鉄骨をボルトで固定し、溶接や水平確認を行っています。
■ やりがい
巨大な建物が少しずつ形になっていくのを見ると達成感があります。自分の仕事が建物の骨格になって残るのが魅力です。
■ 大変なこと
夏の暑さや冬の寒さの中での作業は体力的に厳しいです。高所での緊張感も常にあります。
■ これから目指す人へアドバイス
体力と根気があれば未経験でも始められます。資格取得に前向きに取り組めば、長く安定して働ける職業です。