水先人(みずさきにん)

運ぶ・支える仕事
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運ぶ・支える仕事

水先人の仕事とは?

水先人は、港湾や狭い水域に入出港する船舶に乗り込み、安全に航行できるよう操船を助言・指示する海の航海専門職です。巨大な船舶は港の地形や潮流に大きく影響されるため、水先人は現地の地理や海流、気象条件を熟知し、船長に正確な指示を出します。日本では「水先法」に基づく国家資格「水先人免許」が必要で、海上輸送の安全を守る最後の砦とされています。

1. どんな人に向いてる?

冷静沈着で状況判断に優れた人、責任感が強く安全意識の高い人に向いています。英語での航海指示も多いため、海事英語や国際感覚も重要です。

2. 水先人になるには?(進路チャート)

まず海技士(航海)免許を取得し、船舶の航海士や船長として一定期間の実務経験を積む必要があります。その後、国土交通省の水先人試験に合格して免許を取得します。合格後は各水先区で研修を受け、正式に水先人として登録されます。

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3. 水先人に必要な資格やスキル

  • 水先人免許(国家資格) ─ 水先法に基づく国家資格で、地域ごと(区)に指定されます。
  • 海技士(航海)免許【国家資格】
  • 海図・潮流・気象の専門知識
  • 英語による航海コミュニケーション能力

水先人になるには通常、外航船や大型船で長年の経験を積むことが前提とされます。

4. 活躍の場・働き方

主に港湾や海峡、水先区に指定された地域で活動します。大型タンカーや貨物船、客船などに乗船して操船を支援します。勤務形態は待機・出動制で、昼夜問わず呼び出しがある職種です。

5. 水先人の平均年収は?

平均年収は約1,000万~1,500万円前後。ベテラン水先人では2,000万円を超えることもあります。高い専門性と責任の重さに見合った報酬が得られる職業です。

キャリア段階年収目安
新人水先人(1~3年目)800万~1,000万円
中堅(5~10年目)1,000万~1,400万円
ベテラン・主任水先人1,500万~2,000万円以上

出典:日本水先人会連合会「水先制度概要」/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

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6. 向いてない人は?

プレッシャーに弱い人や、夜間・不規則勤務が苦手な人には向きません。1つのミスが重大事故に直結するため、集中力の欠如は致命的です。

7. よくある質問(Q&A)

Q. 船長と水先人の違いは?
A. 船長は船の最高責任者、水先人は港の航行に関して専門的助言を行う“ナビゲーションの専門家”です。

Q. どんな船に乗りますか?
A. 主に大型貨物船・タンカー・クルーズ船など、港の出入りが難しい船に乗船します。

8. 関連する仕事

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9. 現場の声

■ 職業・職歴
水先人・勤務22年(東京湾水先区)

■ 仕事内容
港へ入港する外国船に乗り込み、航路や潮流を指示して安全に導きます。

■ やりがい
自分の判断が船と乗員の命を守る。毎回の航行が緊張と誇りの連続です。

■ 大変なこと
夜間出動や悪天候の中でも正確な判断が求められます。集中力と経験が命です。

■ これから目指す人へアドバイス
海技士として十分に経験を積んだ上で挑戦する資格です。長い道のりですが、それに見合う誇りと責任があります。