環境とエネルギーの仕事
保安技術職員(ほあんぎじゅつしょくいん)とは?
保安技術職員は、「原子炉等規制法(原子力基本法に基づく関連法)」に基づく国家資格で、原子力発電所や核燃料関連施設などの安全運転を監督・管理する専門技術者です。
この資格は、発電所などでの保安監督・設備管理・放射線防護など、極めて高度な知識と責任が求められる国家資格のひとつであり、原子力分野の“最後の砦”とされるポジションです。
原子力発電所を運転する電力会社や関連施設では、法令により一定数の保安技術職員を選任することが義務づけられています。資格者は、運転中の原子炉の監視・異常時対応、保安検査や点検計画の策定、再稼働審査に関する技術書類の作成など、国家レベルの安全確保に関与します。
この資格は、原子力規制委員会の下で厳格に運用されており、発電所勤務経験や高度な技術研修を経た上で受験できる専門的な制度です。社会的責任の大きさと引き換えに、極めて高い技術的信頼を得られる資格でもあります。
保安技術職員の試験概要
| 根拠法令 |
電気事業法・ガス事業法・原子力規制法などに基づく国家資格。 発電所やエネルギー施設における運転・保守・安全管理を行うための保安技術職を定めた制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 経済産業省(資源エネルギー庁)/原子力規制委員会/電気技術者試験センター。 |
| 試験概要 |
主な資格区分: ・電気主任技術者 ・ガス主任技術者 ・原子炉主任技術者 など 試験内容: ・電気・化学・熱力学などの基礎理論 ・設備構造・保安管理・法令 ・発電・送電設備の安全監督技術 受験資格: 資格区分により異なる(第三種は制限なし) 合格率: 約15〜25%前後(難関) 取得後は電力・エネルギー分野の安全監督者として選任される。 |
保安技術職員のよくある質問(Q&A)
- Q1. 保安技術職員とはどんな資格ですか?
-
A. 発電所やガス事業所などのエネルギー施設で、安全運転や設備保全を監督するための国家資格です。
電気主任技術者・ガス主任技術者・原子炉主任技術者などが代表的な区分で、保安監督上の責任者として選任されます。 - Q2. どのような仕事でこの資格が必要になりますか?
-
A. 火力・原子力・水力などの発電施設、都市ガス供給設備、石油化学プラントなどで必要とされます。
保守管理・定期点検・トラブル時の対応・法令に基づく安全報告などを行う業務に欠かせません。 - Q3. 試験の難易度はどのくらいですか?
- A. 試験内容は高度で、合格率は15〜25%前後です。特に上位区分(第一種・原子炉主任技術者)は難関とされ、数年かけて合格を目指す人も多くいます。
- Q4. 受験資格に制限はありますか?
- A. 区分によって異なります。第三種電気主任技術者など一部は誰でも受験可能ですが、上位資格は実務経験や学歴による条件があります。
- Q5. 資格取得後はどんなキャリアに役立ちますか?
-
A. 電力会社・エネルギー企業・プラントメーカー・自治体などで保安責任者や技術監督として活躍できます。
経験を積むことで「保安管理責任者」や「技術顧問」としてのキャリアアップも可能です。 - Q6. 更新や講習制度はありますか?
-
A. 電気主任技術者・ガス主任技術者は原則終身資格ですが、原子炉主任技術者など一部は定期講習や更新制度があります。
また、事業所に選任された際は定期的に保安教育を受ける必要があります。 - Q7. 保安技術職員になるためにおすすめの勉強方法は?
-
A. 公的テキスト(電気技術者試験センター・高圧ガス保安協会)や過去問演習が効果的です。
数学・物理の基礎を固め、法令分野は条文の趣旨を理解して暗記に頼らない勉強法がおすすめです。 - Q8. 資格を持っていないと従事できない仕事はありますか?
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A. 発電所・ガス製造所・原子力施設などでは、法律で有資格者の配置が義務づけられています。
無資格では「主任技術者」や「保安責任者」として業務を担当することはできません。
保安技術職員が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 原子力発電所技術者(原子力・核燃料施設の保安監督担当)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:原子炉等規制法(昭和32年法律第166号)
- 所管:原子力規制委員会(内閣府)
- 試験実施機関:原子力規制庁/原子力安全推進協会(JANSI)
- 出典:原子力規制委員会「保安技術職員制度概要」/原子力安全推進協会公表資料


