衛生管理者の仕事とは？
衛生管理者は、企業で働く従業員の健康と安全を守る専門職です。労働安全衛生法に基づいて、一定規模以上の事業所には必ず選任が義務づけられている国家資格者であり、労働環境の点検、作業環境測定、健康診断の実施、ストレスチェックの管理などを行います。現場の安全担当者や産業医と協力し、職場の衛生基準を守ることで労働災害や健康障害を未然に防ぎます。製造業、建設業、オフィス業務など、業種を問わず求められるため、安定性と社会貢献性の高い職業です。
1. どんな人に向いてる？
人の健康や安全に関心があり、観察力や責任感が強い人に向いています。細かいデータを扱う正確さや、職場の人々と協調して改善を進められるコミュニケーション力も求められます。
2. 衛生管理者になるには？（進路チャート）
まず第一種または第二種衛生管理者（国家資格）に合格する必要があります。高卒以上で実務経験があれば受験可能で、合格後に企業で衛生管理者として選任されます。多くは総務・人事・安全衛生部門の社員として従事します。
3. 衛生管理者に必要な資格やスキル
必須となるのは、以下のいずれかの国家資格です。
- 第一種衛生管理者（全業種で有効）
- 第二種衛生管理者（一部の業種で有効）
他にも安全衛生推進者や作業環境測定士、労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー・衛生工学衛生管理者・衛生管理士などの関連資格を持つとキャリアの幅が広がります。
4. 活躍の場・働き方
製造業、建設業、運輸業、オフィス業など、従業員50人以上の事業所には必ず衛生管理者が必要です。人事・総務部門での常勤のほか、工場や現場で巡回・指導を行うケースもあります。
5. 衛生管理者の平均年収は？
衛生管理者の平均年収は約400万～600万円前後です。勤務する業界や企業規模によって差があり、製造業やインフラ系企業では高めの傾向にあります。
| キャリア段階 | 年収目安 |
|---|---|
| 新人（1～3年目） | 300万～380万円 |
| 中堅（5～10年目） | 400万～500万円 |
| 管理職・安全衛生責任者 | 550万～700万円 |
衛生管理者資格を持つことで転職市場でも評価が高く、キャリアの安定性がある職業です。
出典：厚生労働省「賃金構造基本統計調査」／安全衛生管理関連求人情報
6. 向いてない人は？
安全管理や記録業務に興味が持てない人、報告やルール遵守を面倒に感じる人には不向きです。慎重さや責任感を欠くと務まりません。
7. よくある質問（Q&A）
Q. 第一種と第二種の違いは？
A. 第一種はすべての業種で有効、第二種は一部業種（主に事務・販売など）でのみ有効です。
Q. 実務経験が必要ですか？
A. 学歴により必要な実務経験期間が異なります。理系学部卒なら短縮されることもあります。
Q. 独立できますか？
A. 基本的に企業内で働く職種ですが、安全衛生コンサルタントとして独立する人もいます。
8. 関連する仕事
9. 現場の声
■ 職業・職歴
衛生管理者・勤務11年（製造業／安全衛生部門）
■ 仕事内容
工場内の労働環境点検、健康診断の管理、職場巡視、安全教育などを担当。現場の作業員と話しながら改善を進めています。
■ やりがい
従業員の健康や安全を守ることに直接関わるので、感謝されることが多く誇りを持てます。事故ゼロを達成したときの達成感は大きいです。
■ 大変なこと
ルール遵守や報告が多く、書類作成も多いです。現場と本社の板挟みになることもあります。
■ これから目指す人へアドバイス
国家資格なので勉強は必要ですが、どの業界でも求められる安定した職です。真面目にコツコツ取り組む人ほど向いています。
