医学研究者（いがくけんきゅうしゃ）

科学・研究・発見する仕事

医学研究者の仕事とは？

医学研究者は、人間の健康や病気に関する研究を行い、新しい診断法・治療法・予防法の開発に取り組む専門職です。臨床現場で患者を診る医師とは異なり、基礎研究や臨床研究を通じて医学の発展に貢献します。生命科学や薬学、工学など幅広い分野と連携しながら、人類の健康を支える役割を担います。

主な業務は、細胞や遺伝子、薬の効果などを実験や分析で研究することです。基礎医学では病気のメカニズム解明、臨床研究では新しい治療法や薬の安全性・有効性を検証します。研究成果は論文として発表し、学会や製薬企業と連携して実用化につなげます。

探究心が強く、コツコツとデータを積み重ねられる人に向いています。失敗を繰り返しても粘り強く挑戦できる忍耐力や、論理的思考力も必要です。国際的な研究では英語での発表や論文作成力も求められます。

医学研究者になるには、大きく2つのルートがあります。
① 医学部に進学し、医師免許を取得後に大学院などで研究の道に進む。
② 理学部・薬学部・工学部などで生命科学や薬学を学び、大学院博士課程を経て医学研究に従事する。
いずれも大学院進学が一般的で、博士号取得者が多いです。

特定の資格は必須ではありませんが、博士号（Ph.D.）はキャリア形成に有利です。医師免許を持っている場合は臨床研究に強みを持てます。実験技術、統計解析、論文執筆能力、英語力も欠かせません。

臨床検査技師：検体検査や生体情報データの解析に役立ち、医学研究の実証性を高めるのに有利。

診療放射線技師：画像診断や放射線利用の知識が研究に活かせ、特に放射線医学分野で有利。

大学や研究所、製薬会社、病院の研究部門などで働きます。研究テーマによって基礎医学から臨床応用、創薬研究まで幅広い分野で活躍します。近年は国際共同研究や産学連携プロジェクトに参加する機会も増えています。

平均年収は400万〜700万円程度が一般的ですが、製薬企業や外資系企業に所属する場合は800万〜1000万円以上も可能です。大学ポストは年齢や職位により差が大きいのが特徴です。
【出典】厚生労働省「賃金構造基本統計調査」研究職関連データ

地道な実験やデータ解析を続けるのが苦手な人、失敗を恐れて挑戦できない人には不向きです。また、論理的に考えられない人や文章作成を避けたい人も厳しい職種です。

Q. 医師免許がないと医学研究者になれない？
A. 必ずしも必要ではありません。生命科学や薬学などのバックグラウンドから研究に携わる人も多いです。

Q. 研究者は安定して働けますか？
A. 大学ポストは任期付きが多く競争的ですが、製薬企業など民間で働く場合は比較的安定しています。

Q. 海外で研究することはできますか？
A. 可能です。博士号や研究実績があれば海外大学や研究所での勤務も目指せます。

※現場の声は今後掲載予定です。